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お父さんが遺言を残していなかったのであれば、原則としてお父さんの遺産は、民法の規定に従い、お母さんが2分の1、相談者・弟さん・妹さんが6分の1ずつ相続分を有しています。そこで、不動産を相談者の単独名義にするには、相続人全員で「建物を相談者が相続する」という内容の遺産分割協議を行う必要があります。しかし、弟さんが行方不明のためこの協議に参加できない場合は、相談者は利害関係人として家庭裁判所に「不在者財産管理人選任申立」を行い、弟さんの代わりに不在者財産管理人に遺産分割協議に参加してもらうという方法があります。
家庭裁判所に選任された不在者財産管理人は、家庭裁判所の監督の下で一時的に弟さんの財産を管理することになるわけですが、特別の許可を得て遺産分割協議を行うこともできるのです。もちろん弟さんの消息が判明すれば、管理人は管理していた財産を弟さんに返還します。
弟さんの生死が7年以上不明ということであれは、「失踪宣告」手続きにより「死亡したものとみなす」場合もあります。こちらも家庭裁判所に申し立てます。